
Members研究班紹介
吉森研究室
オートファジー制御とリソソーム恒常性維持を介した加齢性疾患・生活習慣病の克服
本研究室では、オートファジーの分子機構とその病態における役割を解明してきた。特に、オートファゴソーム膜の起源がミトコンドリアと小胞体の接触部位であることを突き止め、オートファジーを負に制御するRubiconを同定。さらに、損傷リソソームを除去するリソファジーや細胞内病原体を処理するゼノファジーの存在を証明し、その詳細な分子機構を明らかにした。
現在は、Rubiconが加齢や肥満とともに増加し、オートファジー低下の要因となることを解明し、その抑制がパーキンソン病や腎臓病、脂肪肝などの改善につながる可能性を示している(図1)。また、加齢性疾患や生活習慣病においてリソソーム異常が生じることを見出したことから、リソソーム恒常性維持の分子機構解明に関わる研究を展開した。その結果TFEBの活性化によるリソソームの新生、ミクロリソファジーによる損傷リソソームの除去など新規、リソソーム恒常性維持機構を発見し、その全貌解明を進めている(図2)。最終的にはRubiconの異常やリソソーム恒常性の制御を通じて加齢性疾患や生活習慣病の克服を目指す。
図1(A)加齢に伴い、肝臓におけるRubiconの発現は増強する。 (B)加齢に伴う尿細管細胞老化(p21は細胞老化のマーカー)、腎線維化(コラーゲン1は線維化のマーカー)はRubicon KOマウスにおいて改善していた。
図2
メンバー
吉森保、久万亜紀子、濱﨑万穂、上西達也、南聡
当センターは 奈良県立医科大学オートファジー・抗老化研究センター と連携しています