
Members研究班紹介
呼吸器・免疫内科学講座
自己免疫疾患におけるリソソームの機能解析を通じた病態解明
リソソームは細胞内の分解の場にとどまらず細胞内のシグナル伝達のハブとして、その機能の多様性に注目されています。
呼吸器・免疫内科学ではリソソーム上のRagulator 複合体というタンパク複合体に着目して、これまでにRagulator complexがマクロファージにおいてIL-6やTNFαなどの炎症性サイトカインの産生を制御していること(Nat Commun 2016, J Immun 2018)、myosin phosphatase Rho-interacting protein (MPRIP)との相互作用を介して免疫細胞の遊走を制御していること (Nat Commun 2021)、NLRP3およびHistone deacetylase 6との相互作用を介してNLRP3インフラマソームの活性化を制御していること(EMBO 2023)などを報告してきました。
私たちは現在、Ragulator complexのみならずリソソームというオルガネラが自己免疫疾患や自己炎症性症候群においてどのような役割を有しているのか、その背景にオートファジーをはじめとするどのような分子学的なメカニズムが存在しているのかについて解析を進めています。(図1)
図1リソソーム の異常を原因とした炎症病態があるのかなど、解析を進めています
メンバー
熊ノ郷淳、辻本考平
当センターは 奈良県立医科大学オートファジー・抗老化研究センター と連携しています